養鶏農場以外の人の、鳥インフルエンザの予防策

はくちょう座のイラスト(星座)

今シーズンの高病原性鳥インフルエンザの感染は、過去最多の勢いを加速させている感があります。

農水省によれば、鳥インフルエンザは渡り鳥などの野生動物が感染を拡大させているようです。

昨年11月あたりから現在までの養鶏場での発生例は、千葉県での2例を除いてほとんどが西日本です。

しかし、これから渡り鳥が北に帰るシーズンを迎えるにつれ、この傾向がどうなるかわかりません。

環境省のデータでは野鳥の検査で陽性が確認されたのものには、北海道や新潟もありました。

ですから、これまで感染が確認されていない地域であっても油断はならないのだと思います。

感染の予防には、養鶏農場以外の私たちも一役買うことができるのではないかと思います。

シジュウカラガンのイラスト(鳥)

例えば、田畑でエサを探していたり休んでいる白鳥やガンなどを見ることがあります。

そうした中に、目立って元気のない鳥が混ざっていないか?

時にはそういう目を持って観察することがあってもよいのではないでしょうか。

あるいは、目立った傷のない鳥の死がいを見つけたとき。

そんなときは、

死がいに触らずに

家畜保健衛生所 に連絡!

農研機構のHPに一覧があります

あるいは

都道府県 あるいは 市町村 に連絡!

養鶏農場で飼育している鶏への感染経路として、野生動物との接触が考えられるので、

野鳥の異常を見つけたら、早期に行政に連絡することで、

その近隣の養鶏農場も警戒態勢を整えやすくなる

と私は考えます。

※画像は「いらすとや」より

今一度、鳥インフルエンザの予防の点検を!

鶏小屋のイラスト

今日の日本農業新聞のWeb版に、「鳥インフル対策徹底を リーフ作成 農水省」という記事が掲載されていました。

記事によれば、昨年11月から15県で36例の高病原性鳥インフルエンザの感染例が確認されており、殺処分された鶏も600万羽に上るそうです。

昨年12月付の農水省が出した「高病原性鳥インフルエンザへの対応について」では、12月時点での殺処分した鶏の数は、過去のシーズン最大殺処分数を優に超えています。

世間では新型コロナ感染症への関心が高まっておりますが、この高病原性鳥インフルエンザにも十分注意する必要があるようです。

既に養鶏農場のみなさんには、様々な感染防止対策をされておられると思います。

ですが、今一度、感染防止策を点検することをお勧めします。

というのも、新型コロナでも同様ですが、防止策を十分とっている病院や施設でもクラスターが発生しているのを見るにつけ、「絶対に」大丈夫というのはないのだと思うからです。

そこで、昨年の12月18日に農水省が公表した「家きん飼養農場における飼養衛生管理の自己点検結果(地区種別)」から、感染防止のための7項目を、あえて記します。

感染防止のための7項目

1 衛生管理区域に立ち入る者の手指消毒等

2 衛生管理区域専用の衣服及び靴の設置並びに使用

3 衛生管理区域に立ち入る車両消毒等

4 家きん舎に立ち入る者の手指消毒等

5 家きん舎ごとの専用の靴の設置及び使用

6 野生動物の侵入防止のためのネット等の設置、点検及び修繕

7 ねずみ及び害虫の駆除

何しろ、相手は「自然」であり、見ることのできない脅威であり、動きを十分には予測できない動物が媒介しております。

侵入防止のためのネットや仕切り、塀などに、ほんの小さなほころびがあるだけで、そこからネズミ等が侵入し、感染させるとも言われております。

念には念を入れて、予防策を講じて頂きたい。

農産物の直売所は、食品衛生法上の届出が必要か?

市場の屋台のイラスト

令和3年6月1日から施行される「 改正 食品衛生法」。

この改正により、食品や飲料を取り扱う事業者は、原則として

食品衛生法上の営業許可を得るか、

保健所に営業の届出をする

のどちらかをすることになります。

※詳しくは、「食品を取り扱う事業者の営業届」を御覧ください。

ただし、これには7つの例外があります。

その1つが

「農家や漁師が行う採取・収穫の一部とみなせる行為(出荷前の調整等)」は営業には含まない

ことから、営業の許可も届出も不要となります。

※食品衛生法第4条第7項

上の規定からすると、

「農家が運営する農産物の直売所は、営業の届出は不要」と考えて良いのでしょうか?

私の答えは、

「Yes の場合と No の場合がある」

です。

※以下は私の考えです。正確を期すために、必ず保健所に御確認下さい。

1 農産物の直売所が、営業の届出が不要な場合

農家が自ら生産し収穫した農産物を、加工しないでそのまま販売する場合には、届出は不要です。

この条件をもう少し詳しく見てみます。

① 「農家が自ら生産し収穫した農産物」であること。

ということは、他の農家が生産し収穫した農産物を仕入れて販売する場合は、ここには当てはまりません。ですから届出が必要になると思われます。

「農家が自ら」というのは、もちろん「農場経営者自身でなければならない」ということではありません。

その農場から収穫された農産物であるならば、それを売る直売所は届出不要です。

② 「加工しないでそのまま販売する」こと。

例えば、「収穫された大根を2つに切ってラップに包んで販売」する程度の加工ならば届出はいらないようです。

しかし、「キャベツを千切りにして袋に詰めて販売」するところまで加工すると、届出が必要になります。

さらに、「自家製の漬物を販売」になると「漬物製造業」として保健所から許可を得なければならなくなります。

2 農産物直売所も、営業の届出が必要な場合

「1 農産物の直売所が、営業の届出が不要な場合」でも触れましたが、他の農家が生産した農産物やカット野菜を販売する場合には、保健所への届出が必要になります。

では、「農家のグループで、共同して運営する直売所」はどうでしょうか?

この場合には、「3 判断の根拠」に記した「農業及び水産業における食品の採取業の範囲について」という通知に、以下のような判断が示されています。

「生産者団体の行う農畜産物の販売」は「八百屋」と同様に届出が必要。

営業の届出が必要になる場合などのもう少し詳しい説明は、↓をクリックして御覧ください。

食品を取り扱う事業者の営業届

3 判断の根拠

以上の判断根拠は、次の条文や通達などです。

4 以上から考えて

「自分の所でとれた野菜をそのまま売る」だけなら届出はいりません。

しかし、他の農家の農産物も売る可能性がある場合には、届出をする必要が出てくるかもしれません。

届出に伴う様々な義務との兼ね合いを考えて、直売所の経営方針を考えた方がよろしいでしょう。

なお、届出の要・不要の判断が難しい場合には、必ず保健所に確認するようにしてください。

マタギもHACCP?

今年は熊の人里への出没が話題になっています。

クマの親子のイラスト
※画像は「いらすとや」から

また、近年では鹿、イノシシやハクビシンなどによる農作物などの被害も話題です。

ニホンジカのいのイラスト(角あり)
※画像は「いらすとや」から
畑を荒らすイノシシのイラスト
※画像は「いらすとや」から

そんな中、注目されているのがジビエです。

野生の動物(鹿、イノシシ等の大型の動物だけでなく、ウサギやハクビシン、あるいは野鳥)を食用の肉にしたものをジビエと言います。

野生動物を獲るには、狩猟免許が必要です。

捕獲した獲物をジビエとして提供するには、食品衛生法による営業許可が必要です。

※こちらのページに簡単な説明を載せました。「ジビエに関わる制度って?

つまり、マタギ等の狩猟者も、獲物を解体処理した肉を販売する場合には、食品衛生法の食肉処理業と食肉販売業の営業許可を得る必要があります。

また、食品衛生法によれば、2021年6月から、すべての食品事業者にHACCPに基づく衛生管理が義務付けられます。

つまり、マタギ等の伝統に基づいた狩猟者であっても、野生動物を解体・処理し、食肉として販売する食品事業者である限り、HACCPの考えを取入れた衛生管理を行わなければなりません

野生動物は飼育された牛や豚よりも様々な細菌や寄生虫がついている可能性が高い。その反面、獣医師等による検査を経たうえで流通する牛肉や豚肉とは異なり、ジビエはそのような検査はないのです。

ですから、ジビエを販売、提供する事業者には、より高度な衛生に関する知識や技術、あるいはモラルが求められます。

参考

● 厚生労働省ホームページ「ジビエはよく加熱して食べましょう」

「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」等の資料が掲載されています。

● 一般社団法人 日本ジビエ振興協会 のホームページ

日本ジビエ振興協会は、食品衛生法の改正により2021年6月から完全実施されるHACCPに基づく衛生管理の、小規模ジビエ処理施設向け手引書を作成した団体です。

この手引書は、日本ジビエ振興協会のHPや厚労省のHPからダウンロードできます。

手引書の他にも、様々なジビエ関連の情報が日本ジビエ振興協会のHPに掲載されているので、御興味のある方はぜひアクセスしてみてください。

ジビエを買う場合の注意

野生のイノシシやシカ等の肉を購入する場合にも、注意しなければならないことがあります。

① 消費者や飲食店等に共通する注意事項

食肉処理業 あるいは 食肉製品製造業 と、 食肉販売業の営業許可を得ている事業者から購入しましょう。

② 飲食店等がジビエ料理を提供するために仕入れる場合の注意事項

①に加え、「捕獲、搬入・受入れ、処理に関わる記録表」(個体ごとの履歴のわかるもの)を確認、あるいはコピー等も入手し保管しておく方がよいでしょう。

継続的に取引をする場合には、検品や異常発見時の処理の事項を含めた契約書を作ることをお勧めします。

※記録表の作成は、厚生労働省の「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」や、このガイドラインをもとにして 一般社団法人 日本ジビエ振興協会 が作成した「小規模ジビエ処理施設向け~HACCPの考えを取入れた衛生管理のための手引書」 でも求められています。

GAPに取組めば儲かるのか?

JGAP指導員資格取得の研修の中で、「時折、『GAPに取組めば儲かるの?』というような質問を受ける」と講師がおっしゃっていた記憶があります。

以前、SNSでもそのような投稿を見かけました。

この質問を、別の業界に替えてみると、こんな感じでしょうか?

● 食品製造業で、

「工場や作業の中で食品衛生管理に取組めば、儲かるの?」

● 製造業で、

「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を徹底すれば、儲かるの?」

食品衛生管理や5Sに取組むことと、儲かることは別のこと。

たまたま

「衛生管理や整理整頓に努めていたら、作業場が使いやすくなったり、習慣になっていたことの中に無駄が含まれていたことが見つかったりして、それらを改善した結果、経費が抑えられ、利益が増えた」

ということはあるかもしれません。

あるいは

「取引先や、見学者から衛生管理や工場が清潔であることが評価された」

ことで、契約交渉にプラスに働くこともあるかもしれません。

逆に考えてみたらどうなるでしょうか?

例えば、

「評判の食品を作っている食品会社の工場を見に行ったら、とても衛生的とは思えない工場だった」

「くわえタバコで作業をしていた」

「厨房にハエが何匹も飛んでいるのが気になった。よく見たら、フタの開いたゴミ箱があった」

・・・・。

消費者は、こういう事業者を支持し続けるでしょうか?

GAPも食品衛生管理や5Sと同じだと私は思います。

GAPは、儲けにつながるかどうかは別にして、現代の事業への取り組み方として重要な内容を含んでいるのです。

GAPは安全な農産物を作るためのルールを、農場で働く人たちが作り実践していく仕組みです。

そのルールの中には、農場の人々が安心して働き続けるための項目も入ります。

2020年10月5日付の日本農業新聞のHPに、

農機事故ゼロへ意識浸透 冊子、標語募集…地道に啓発 

という、北海道・JAきたみらい の取組みを紹介する記事がありました。

この記事の中で、JAきたみらい が 農作業事故0(ゼロ)に向けてGAPに取組むことを呼びかけていることが書かれています。

GAPは、農産物と人の安全をはかる取組なのです。

家賃支援給付金~農地の賃貸借契約の場合

現在、申請を受け付けている家賃支援給付金は、

他人の土地・建物を、事業を営むために直接占有し、使用・収益をしている対価として、賃料の支払いを行っている

場合で、

2020年5月から2020年12月までの間で、新型コロナ感染症の影響により、

以下のいずれかに当てはまる方が対象の給付金です。

・いずれか1か月の売上が、前年の同じ月と比べて50%以上減っている。

・連続する3か月の売上の合計が、前年の同じ期間の売上の合計と比較して30%以上減っている。

つまり、他人の土地を借りて、賃料を支払っている方で新型コロナの影響で売上が減っていることが条件なので、

農地を借りて農業を営んでいる方も対象になる

可能性があるということです。

「農地を借りる」形態としては、次のものが当てはまります。

  1. 賃貸借契約書による場合(農地法を根拠とする契約)
  2. 農用地利用集積計画による場合(基盤強化促進法を根拠とするもの)
  3. 農用地利用配分計画による場合(農地中間管理機構が関係するもの)
  4. 所有権移転等促進計画による場合(特定農山村法等によるもの)

上の4つの形態のどれにあてはまるか不明な場合には、農業委員会や農地中間管理機構などに相談した方がよいでしょう。

いずれの形態による賃貸借でも、農水省が定めたガイドラインに基づいて、家賃支援給付金の申請をする必要があります。

そのガイドラインの中には、家賃支援給付金の宣誓書とは別に、ガイドラインに適合している旨の宣誓書を添付することという決まりもあります。

詳しくは、下のHPから農水省のガイドラインと宣誓書を御覧ください。

経済産業省のHP 「業界団体等によるガイドラインについて」

の11番目「農地等に係る賃貸借契約の
家賃支援給付金の審査実務における取扱いについて(ガイドライン)」

リスクの分析~GAP

JGAPやASIAGAPの管理点で、様々な場面でのリスクを洗い出し、評価をし、対応を検討することが求められています。

これはGAPに限らず、防災を考える上でも、他の多くの企業のリスク管理をする上でも大切なことですが、非常に難しくもあります。

なかでもリスクの洗い出し=リスク分析は思いのほか難しいと、私は思います。

難しさの一番の原因は

人の「思い込み」あるいは「安心願望」にある

と思います。そして、それ自体は決して責められるところではありません。

例えば、

「新規にトラクターを購入する」

という場面を考えてみてください。(購入するかどうかを、検討する場面)

私は、ここに「検討すべきリスクがある」と考えます。

トラクターの運転経験がない、あるいは少ない方なら感じる不安=リスクを、ベテランの農家は、もしかすると「今まで事故無し」であったことから見逃してしまう事かもしれません。

だから、GAPなどでリスクの分析をするときは、

何人かの人と一緒に

  • 有り得ないかもしれないことも言う
  • 他人の発言を否定しない
  • 茶飲み話をするような気楽さで話す

というルールの元に、アイディアを出し合った方がよろしいかと思います。

できれば、年齢や性別や立場や生産している作物等が異なって人たちのグループの方が、発想が柔軟になるでしょう。

農林漁業者の経営継続補助金

新型コロナの影響を克服しようとする農林漁業者向けの

経営継続補助金

の申請受付が始まりました。

第1次の受付締切は7月29日です。

第2次受付についても調整中のようですので、第1次に申請が間に合わなくても、そのまま準備を進めておいた方がよさそうです。

1 補助の対象となる事業者

次の3つの条件すべてに当てはまる方です。

  • 農林漁業者(個人、法人を問いません)
  • 常時従業員が20人以下
  • 支援機関(「3 手続の流れ」を御覧ください)の支援を受けること

<注意>

法人は、農事組合や漁業生産組合だけではなく、株式会社、持分会社、社会福祉法人、NPO法人、一般社団法人でも、農林漁業を営んでいればOKです。

2 補助の対象となる経費と補助金

補助の対象となるのは、大きく分けて次の①と②です。

補助の対象 ① 経営継続に関する取組に要する経費 ② 感染拡大防止の取組に要する経費
補助率 4分の3 定額
上限額 単独申請 100万円 50万円
共同申請

100万円×事業者の数

※ただし、1000万円まで

50万円×事業者の数

※ただし、500万円まで

例えば単独申請の場合は、①と②を合わせて150万円が上限になります。

補助の対象となる①と②については、後述の「5 補助対象となる経費について」を御覧ください。

共同申請とは

複数の農林漁業者が、あらかじめ定めた役割分担に従って補助事業を行う場合にする申請です。

これには2つのパターンがあります。

① 役割に従って、それぞれの事業者が自分の役割に応じた経費を支払う

この場合は、

   申請    ⇒ 共同申請

   補助金請求 ⇒ 各事業者

   規約の提出 ⇒ 必要なし

② それぞれの事業者が役割を果たし、その経費を代表事業者が一括して支払う

   申請    ⇒ 共同申請

   補助金請求 ⇒ 代表事業者

   規約の提出 ⇒ 申請の時に規約を提出する必要があります

3 手続の流れ

① 申請書等の書式を入手します。下のリンク先からダウンロードできます。

② 書類を作成します。

③ 支援機関に書類を確認してもらいます。

※第1次締切に間に合わせるためには、7月17日(金)までに支援機関に書類を提出した方が良さそうです。

④ 支援機関から「支援機関確認書」を交付してもらいます。

⑤ 提出書類の内、「経営計画書」をCDまたはUSBに保存します。

⑥ 支援機関(支援機関が対応できない場合は、補助金事務局)へ、次の書類等を郵送・提出します。

  • 作成書類の紙の原本・・・後述
  • 支援機関確認書
  • ⑤で作成したCDまたはUSB

その後、申請書の審査があり、採択通知が8~9月頃届く予定です。

採択された場合

令和2年12月31日までに計画通り補助事業を実行(支払いも済ませる)し、

実績報告を令和3年1月29日(金)までに、補助金事務局に届くように提出します。

ただし、補助事業が早く実行された場合は、補助事業が完了してから30日経過までに報告書を提出します。

支援機関

  • 農協、漁協、森林組合
  • 各都道府県にある農業経営相談所(宮城県では(公社)みやぎ農業振興公社にあります)
  • その他に農林水産省経営局長が指定した機関(例えば、農業法人協会や、宮城県では宮城県農林種苗農業協同組合)

この補助金の対象となる補助事業は、支援機関からの指導等を受けながら実施する必要があります。

4 作成書類

  単独申請 共同申請
補助金事務局に提出
  • 申請書
  • 宣誓書
  • 経営計画書
  • 補助金交付申請書
  • 直近の確定申告書類の写し

※該当する場合は、車両購入の理由書

・申請書
・宣誓書
・経営計画書
・補助金交付申請書
・直近の確定申告書類の写し

※該当する場合は、車両購入の理由書

代表事業者が一括して経費支出し、補助金交付を受けようとする場合

共同実施に関する規約

※すべての事業者が連名で制定した規約であること

支援機関にのみ提出 申請書提出時チェックリスト 申請書提出時チェックリスト

5 補助対象となる経費について

「2 補助の対象となる経費と補助金」にある①と②の経費について、もう少しだけ詳しい説明を書きます。

① 経営継続に関する取組に要する経費

次のア,イ,ウのいずれかの取組に関する経費です。

  項目 取組み例
国内外の販路の回復・開拓
  • 新たな産品の導入
  • 販売促進活動
  • 規格や出荷方法の見直し
事業の継続・回復のための生産・販売方式の確立または転換
  • 品質向上や省エネ、安全対応のための機械・設備の導入または更新
  • 国産資料等の新たな資材の導入
  • GAPやHACCPの導入
  • 簿記ソフト導入等の経営の合理化
  • ネット販売、移動販売の導入
  • 生産・販売方式の確立や転換に必要な人材確保
円滑な合意形成の促進など
  • Web会議システムの導入
  • 危機管理や事業継続(BCP)のための外部専門家への相談

上の取組みにかかる経費の6分の1以上が、次のいずれかの要件に合致している必要があります。

要件 具体例
人同士の接触機会を減らす生産・販売への転換
  • 生産や出荷の現場で、作業員同士の接触を減らすための省力化機械等の導入
  • 作業場や倉庫のレイアウトの変更
  • 販売の場面で、ソーシャルディスタンスを確保するための販売方法の導入
  • 無人レジやキャッシュレス決済の導入
感染時の業務継続体制の構築
  • BCPの策定
  • Web会議システム
  • オンラインでの講習会

② 感染拡大防止の取組に要する経費

①の取組みと併せて行う、業種別ガイドライン等に即した取組みです。

① 消毒費用
  • 消毒液やアルコール液の購入費用
  • 消毒設備の購入費
  • 消毒作業の外注費
② マスク費用 マスク以外に、ゴーグル、フェイスシールド、ヘアネットの購入費用も含まれます
③ 清掃費用
  • 手袋、ゴミ袋、洗浄剤、漂白剤の購入費
  • 清掃作業の外注費
④ 飛沫対策費用 アクリル板、ビニールシート、防護スクリーン、フロアマーカーの購入、施工費
⑤ 換気費用 換気扇や空気清浄機等の購入費
⑥ その他衛生管理費用 サーモカメラ、体温計、従業員指導のための専門家活用費など
⑦ PR費用 従業員や顧客に感染防止を呼び掛けるポスターやチラシの作成費用

6 注意事項

(1) 原則、補助金交付決定通知の受領後に、発注・契約・支出をします。

補助金の対象になる経費に関わるものは、補助金交付決定通知書を受領した後で、発注をし、期間内に支出まで終わらせるのが原則です。

この原則に外れた支出に対しては、補助金は支払われません。

つまり、自腹です。

ただし、今回のこの経営継続補助金に限って、令和2年5月14日以降にした補助事業に対しても、補助対象経費として認められます。

(2) 事業にかかる経費は、一旦、事業者が支払います。

事業にかかる経費は、一度、事業者が支払わなければなりません。その後、事業実績報告書を提出し、その経費が妥当なものかどうか審査を受けます。

したがって、支払いに関して、次のことに注意が必要です。

  • 1取引で10万円(税込み)を超える場合、現金支払いは不可です。
  • 原則として、口座取引です。
  • クレジットカードによる支払いは、補助期間内(令和2年12月31日まで)に引き落としされるものに限ります。
  • 小切手や手形での支払いは不可です。
  • 契約書、発注書、納品書、領収書等の取引に関わる証拠書類は、必ず取得・保存します。

※補助事業に関しては、後日、会計検査院が検査に入ることがあります。区分経理や書類の整理保存に努めましょう。

(3) 補助事業で取得した財産の処分には制限があります。

税込みで50万円以上の機械装置や車、改装した店舗などの不動産は、補助金を受け取った後でも、処分をするときには、補助金事務局の承認をもらわなければならないことがあります。

(4) 補助事業に関係する書類は、事業終了後5年間は保存します。

(5) 不正行為にはペナルティがあります。

7 行政書士がお手伝いできること

① 支援機関との打合せへの同行

② 申請書類や添付書類の作成に関わること。

③ 事業実績報告書の作成に関わること。

④ その他、支援機関が行わないこと。

※補助金申請に係る費用は、補助の対象外です。この点、御留意ください。

8 リンク

農林水産省のWebサイト

経営継続補助金事務局のWebサイト

「有機〇〇」という表示~有機JASの認証とっています?

時々小さな八百屋や、産直市場を覗いてみてみると、たまにですが

「有機栽培農産物」

とか

「有機〇〇」

というシールが貼られている米や野菜を見かけます。

※〇〇には「野菜」とか「栽培」とか「トマト」とか様々な言葉が入ります。

「日本農林規格に関する法律」(JAS法)によれば、

有機JASマークが付された農産物だけが「有機〇〇」と表示できます。

有機JASマークをつけるためには、第三者機関による認証を受けていなければできません。

つまり認証を受けずに、また、マークもつけずに「有機〇〇」と表示してはいけないのです。

これに違反すると、まず農林水産大臣より表示を取り除くなどの処分を命じられ、さらにその処分に違反した場合には1年以下の懲役または百万円以下の罰金に処せられます。

※JAS法第76条と第10条、第63条、第64条

詳しくは、こちらの農林水産省のホームページを御覧ください。

農林水産省のWebサイト:有機食品の検査認証制度

農林水産省 「有機JAS制度について」

ちなみに、「有機〇〇」と適正に表示するためには、その野菜等の種まきや苗の植付けの2年前から、化学的に合成された農薬や肥料や土壌改良剤等を使わない田・畑・ハウス等で、周囲から飛んでくる化学農薬等が付いたりしないような工夫をしなければなりません。また、そのことがわかるような記録も整備する必要があります。

※「一切の農薬や肥料を使っちゃダメ」というわけではありません。

八百屋と産直市場のHACCP

改正された食品衛生法は、すべての食品事業者にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理を義務化しました。

HACCPというのは、簡単に言えば食中毒や異物混入などの食品事故を起こさないための取組みです。

HACCPをやっている食品事業としては、「レトルト食品や缶詰・冷凍食品などを作っている工場」というのが、以前の私の持っているイメージでした。

けれども、今年2020年6月から施行され、来年2021年6月から完全実施される「HACCPに沿った衛生管理」をしなければならない食品事業者には、街の小さな八百屋さんや農産物直売所なども含まれます

こんなことを八百屋の威勢の良い親父さんに言えば、

「何言ってんだい!こちとら何十年もここで商売をやってて、一度だって食中毒をおこしたことなんてないんだ!こちとら信用で成り立つ商売やってんだ!四の五のいってねぇで、とっとと帰りやがれ!」

と怒られそうですが・・・。

もちろん、これまでの方法でもかまいません。

HACCPが求めているのは、その方法を文書にすることと、実際にやったことを証拠として保存することです。

もう少しだけ、くわしく説明します。

八百屋や直売所に求められるHACCPにそった取り組みは、おおまかに言えば次のようなことをすることです。

① あらゆる食中毒や異物混入を防止するための、衛生管理計画を作る。

② 衛生管理計画を、経営者・従業員全員で実行する。

③ 実行したこと、あるいはその結果を記録に残し、保存する。

この3点について、少しだけ注意事項を示します。

① 衛生管理計画

衛生管理計画は、仕入から販売まで(商品の保管も含みます)の商品の取り扱いの注意事項や、店舗や従業員の衛生管理も含みます。

言い換えれば、食中毒や異物混入を防止するための、お店のルールを文書にします。

② 実行

①の衛生管理計画に書いたルールを、パートやアルバイトを含めた全員がやりとげることが大切です。

もし、ルールを徹底できないときはどうするか?

そのこともルール化します。

③ 記録と保存

記録は基本的に文書化します。パソコン等で作成してもかまいませんが、すぐに確認できる状態にしておくことが大切かと思います。

①から③のHACCPに沿った衛生管理の実施状況を、保健所の食品衛生監視員が確認することがあります。

ですから、記録した文書は1年以上は保管します。

八百屋や直売所が取り組むHACCPについて、より詳しくは、

一般財団法人 食品産業センター

厚生労働省

のどちらかから、手引書をダウンロードして御覧ください。

なお、当事務所では、この手引きにある計画書や記録用紙をもとに、お店にあった様式を作成、またはお手伝いします。

御希望の方はメールでお問い合わせください。

<生産者の方へ>

上のように、すべての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理とその記録が義務付けられます。

これは八百屋や直売所だけでなく卸売業者や仲卸も、HACCPに沿った衛生管理をやらなければなりません。

その衛生管理は、食品の仕入れ段階から始まります。

したがって、もしかすると、農産物の納入・搬入じの検品が、これまで以上に厳しくなったり、これまでは求められなかった書類を添えなければならなくなるかもしれません。

そのことも念頭に置いておいた方がよろしいかと思います。