飲食店等の食品関連のHACCP、農業でのGAPの重要性

今朝の朝日新聞デジタルに「レアステーキ食べO157感染、90代女性が死亡 京都の食料店加工」という記事がありました。

 私がこの記事を読んだときの感想は、

「やはりHACCPとGAPは重要だ」

というものでした。もともと「これからはHACCPとGAPの観点や基準、方法を取入れた衛生管理は必須」だと思っていたものですから、その考えを強くしたという感じです。

※「HACCPとGAPは重要」というのは、「HACCPやGAPの認証を取るべきだ」という意味ではありません。ただ、認証を取らないにしても「HACCPとGAPの観点や基準、方法を取入れた衛生管理をするべきだ」という意味です。

なぜ「HACCPとGAPは重要」だと思ったか?

 上記の朝日新聞によれば、この店のレアステーキ(あるいはユッケ)やローストビーフを食べて食中毒になったのは、この女性の他に9~87歳の22人。その内、O157が検出されたのは11人と無症状の人1人だそうです。その中で亡くなったのは90代の方。

 「幼児や高齢者は重症化しやすい」と言われていますが、その通りの結果になったと私は受け止めました。

 一方で、現在の高齢者には元気な方が大勢いらっしゃいます。飲食店を見ても、ショッピングセンターやスーパーのイートインコーナーなどを見ても、高齢者がいることは当たり前の光景です。幼児をつれた親が会食している様子も普通に見られます。

 飲食店や食品販売関係の事業者から見たこの光景を、極端に表現すれば

 「食中毒になれば重症化しやすいリスクのあるお客様が、ご来店している」

ということになるでしょうか。

 そしてお店が提供した食品で、食中毒が発生すれば

 営業停止という行政処分

に加えて、お客様及びその家族や関係者などから

 衛生管理に過失があったことによる損害賠償

を求められることになるのです。当然、重症化したり後遺障害が残ったり、死亡したりすればその分だけ賠償金額は高額化します。

 では、この賠償金を支払うのは誰か?

 もし、飲食店等の食品を提供した店の衛生管理に問題が見当たらない場合には、1つ1つの食材の流通を遡って発生原因を追究することになるでしょう。

 この追及をしやすくすることも、近年の「HACCPまたはHACCPの考えを取入れた衛生管理の義務化」の理由です。

 したがって最終的には野菜・肉・魚などの生産者等にまで及びます。

 例えば「△△市の飲食店で発生した食中毒の発生原因であるO157は、副菜のスプラウトを生産した〇〇県の農家の衛生管理に問題があったため」となれば、その農家に責任を求められるかもしれません。

 だからこそ、飲食店や食品販売に関わる事業者にはHACCPが、農家にはGAPが重要なのです。

 繰り返しになりますが

 高齢化社会という食中毒の重症化リスクの高い人が多い中で事故を防ぐには、HACCPやGAPが重要だということです。

★O157などの腸管出血性大腸菌についての詳しい説明は、厚生労働省のこちらのサイトを御覧ください。

腸管出血性大腸菌Q&A (mhlw.go.jp)

アワビ、ナマコ、シラスウナギの販売には届出と記録が必要!?~飲食店、小売店、宿泊業~

水産物について投稿するのは初めてですが、主に飲食店や小売店、民宿等の宿泊事業者に向けての情報です。

すでに自治体や組合等からお知らせが届いているかもしれませんね。

でも、もしかしたらお知らせを見落としているかもしれませんので、念のためお伝えいたします。

令和4年12月から、アワビ、ナマコ、シラスウナギや、その加工食品等を取引をする場合の、法律の規制が始まります。

法律名は「水産流通適正化法」と言います。

興味のある方は水産庁のwebサイトを御覧ください。

※法律の正式名称は「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律」

1.規制の対象になるもの

アワビやナマコ、シラスウナギ(全長13㎝以下)や、これらを主原料として製造したり加工したものの取引が対象です。

例えば、冷凍したり乾燥したアワビやナマコだったり、煮たり蒸したものを取引する場合には、この法律により事業の届出や取引記録の保存などを行う必要があります。

食用だけでなく非食用も規制対象になっていることに注意してください。

アワビやナマコの加工食品等について詳しくは、水産庁のWebサイトを御覧ください。

2.小売店、飲食店、宿泊事業者に求められる対応

小売店、飲食店、宿泊事業者は、以下の(1)~(3)の対応をすることが求められます。

一般消費者への販売や、食事の提供だけを行っている事業者の場合には、(2)だけが義務になります。

(1)事業の届出

事業所が1つの都道府県内にだけある事業者は、都道府県知事に対して次の事項を届出ます。

  • 氏名又は名称、住所
  • 事務所、店舗等の所在地
  • 取り扱う種類(アワビ、ナマコ)

ただし、ほとんど消費者に対して食品を提供しているような場合は、事業の届出は必要ありません。

※例えば消費者相手に商売をしている鮮魚店が、お得意様の飲食店や民宿にアワビやナマコを納入しているような場合には、届出をする必要があります。ただ念のため、都道府県に確認した方が良いと思います。

届出は電子申請(eMAFF)で行うことが原則です。

なお、行政書士が代理して届け出ることも認められています。お近くの行政書士に御確認ください

(2)仕入れ(受入れ)の際の取引記録の作成と保存

 アワビやナマコあるいはそれらの加工食品等を仕入れたり、漁業者等が持ち込んできたものを受入れる場合には、次の6つの事項を記録し、仕入れた時から3年間保存しなければなりません。

  1. 名称
  2. 重量又は数量
  3. 仕入た(受け入れた)年月日
  4. 仕入先あるいは持ち込んできた人の氏名又は名称
  5. 漁獲番号 又は 荷口番号 (注)
  6. 輸入又は養植物の場合は、その旨を記録

 こうした記録は、店舗ごと、またアワビとナマコを分けて整理して保存します。

 ただし、上記の6つのことが記録されている納品書等があれば、それを分類・整理し保存することで十分です(あらためて帳簿を作る必要はありません)。

なお、この受入記録の作成と保存は、消費者への販売がほとんどである飲食店や小売店等も行う必要があります。

(注)漁獲番号 と 荷口番号

 アワビやナマコを採る漁業者や加工事業者、流通事業者は都道府県知事や農林水産大臣に事業の届出をしています。その届出の際に各事業者ごとに7桁の番号が割り振られており、それを基に取引年月日と取引番号を加えて、16桁の取引番号を作り、取引の相手方に伝達します。

届出番号(7桁)+取引年月日(6桁)+取引番号(3桁) = 16桁の番号

※取引番号はナマコとアワビで分けて割り振る必要があります。

 こうして出来上がった番号には、漁業者と流通事業者等で名称に違いがあります。

漁業者・漁協 ⇒ 漁獲番号     加工事業者・流通事業者 ⇒ 荷口番号 

 つまり、漁獲番号や荷口番号のない取引により、アワビやナマコを仕入れたり受入れたりすることは法令に抵触する可能性があります。場合によっては50万円以下の罰金が科せられるかもしれません。

(特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律第16条第5号)

 漁獲番号や荷口番号を付けないで、他の事業者に販売したりする行為は密漁等に関係していることが疑われるので、こうした事業者が取引を持ち掛けてきた場合には、関係当局に通報した方が良いと思います。

(3)販売(引渡し)の際の情報の伝達と取引記録の作成と保存

アワビやナマコ、あるいはそれらの加工食品等を、他の事業者に販売または引き渡す場合には、相手先に情報の伝達と共に、取引記録の作成と保存が必要です。

消費者に販売する場合(飲食店や宿泊業が、客に食事として提供する場合も含みます)には、情報の伝達も取引記録の作成と保存も必要ありません。

1) 販売(引渡し)先への情報の伝達

他の事業者にアワビやナマコ等を販売(引き渡す)場合には、納品伝票等を利用して、次の情報を開いて事業者に伝達しなければなりません。

  • 名称(アワビ、ナマコ)
  • 漁獲番号又は荷口番号 ※注
  • 自社の名称(または屋号)
  • 販売(引渡し)した重量又は数量
  • 販売(引渡し)した年月日

2) 取引記録の作成と保存

他の事業者にアワビやナマコ等を販売(引渡し)した場合には、次の事項を記録します。

  • 名称(アワビ、ナマコ)
  • 漁獲番号又は荷口番号 ※注
  • 販売(引渡し)先の名称(または屋号)
  • 販売(引渡し)した重量又は数量
  • 販売(引渡し)した年月日

なお、販売先に渡した納品伝票等に相手先の名称が記載されていれば、この納品伝票の控を保存しておけば、この保存義務のある取引記録として利用できるかと思います。

※注 販売先に伝達する漁獲番号又は荷口番号

水産庁が令和4年5月に作成した「『特定水産動物等の国内流通適正化等に関する法律』に関するQ&A(案)」をみると、販売先に伝達する漁獲番号又は荷口番号には次の2つのパターンが有り得ます。

 ① 仕入先から伝達された漁獲番号または荷口番号を、そのまま販売先に渡す納品書に記載する。

 ② 自社に割り振られた事業者番号を利用して作成した荷口番号を、販売先に渡す納品書に記載する。

上の①②のどちらでもOKのようですが、注意しなければならないことがあります。

この法律の目的は、密漁や密輸されたアワビやナマコ、シラスウナギが流通しないように管理して、水産動植物の減少を防ぐことにあります。

そのため、「どこで採れたアワビやナマコが、どのような流通経路をたどって、消費者の手元に届いたのか」ということを、納品書や事業者の記録から追跡できるようにする必要があります。

事業者間で伝達する漁獲番号や荷口番号を②のように仕入先から伝達された番号Aと、販売先に伝達する番号Bが違う場合には、AとBの関連がわかるように取引記録を作成し保存しておかなければならないのです。

詳しくは、水産庁の ↓ のページを御覧ください。

水産流通適正化法に係る周知・普及啓発資料:水産庁 (maff.go.jp)

直売所アプリ ファームポスト

遅まきながらの話題かもしれません。

農水省が今日(令和4年6月23日)に発行した6次産業化・地産地消メールマガジン第187号で紹介されていたのですが、

直売所と消費者をつなぐ「ファームポスト」という直売所アプリがあるそうです。

詳しいことは、↓ をクリックしてファームポストのWebサイトをごらんいただきたいのですが、

ここでは私が「これ、いいかも」と思った点を御紹介します。

※ただし、この原稿を書いている時点で私はファームポストを利用しておりませんので、あくまでも直売アプリの概要を読んだ感想にすぎないこを予めお断りしておきます。

ファームポスト(Farm Post)は、直売所ファンのみなさんへ、全国の直売所から旬の情報をアナタにだけお届けします。 (farm-post.com)

「ファームポストはいいかも」と思った理由

インターネット上には、生産者と消費者を直接つなぐECサイトがいくつかあります。

私は生産者ではないので、想像で物を言って恐縮ですが、こうしたサイトを生産者が利用するメリットはもちろんありますが、デメリットもあると思うのです。

大きなところでは、「注文を受け、それに応じた出荷作業」でしょうか。

あと、もう1つはコストの管理もあるかもしれません。

もう1つ見逃せないデメリットは、インターネットあるいはスマートフォンを利用できない生産者は、はじめからECサイトのメリットを享受することから除外されること。

もちろん、周辺に協力してくれる方がいれば別でしょうけれど。

例えば高齢の生産者。

スマホを苦手にしている人が多いと思います。ですからECサイトを個人として利用することは難しいでしょう。

一方で、道の駅や直売所に農産物とか漬物などの食品を出荷して、それなりの人気を得ている方もいらっしゃいますよね。

このファームポストは、直売所が中心になって、生産者と消費者をつなぐことができるようです。

ということは、多くの高齢生産者のようにスマホが苦手な人であっても、ECサイトの魅力の1つである「全国の消費者とつながる」道がひらけるのではないでしょうか?

ファームポストの役割は、直売所への入荷情報を消費者に伝え、消費者の感想等を生産者に伝えることにあります。

つまり、ECサイトのように直接、注文を受け、料金のやり取りができるものではなさそうです。

この点は一見、ECサイトに比較してデメリットのようにも感じます。

でも、もし直売所がメールやネット上で消費者から注文を受け発送する仕組みを持っているならば、ECサイトのように個々の生産者が受注から発送するまでの手間が省けます。

直売所への入荷情報は、生産者がファームポストに投稿する方法の他に、直売所に備えてある専用のタブレットで投稿することもできます。

しかも、生産者の情報はバーコードで管理されているので、簡単に入力できそうです。

私のイメージとしては、「生産者が農産物などを直売所に持ち込み、直売所のスタッフに会員カードを示す。スタッフは会員カードにバーコードリーダーを当てて生産者情報をタブレットに自動入力。あとは、今日の入荷情報をタブレットに入力」するだけ。あとは、通常の直売所の利用方法と同じ!

これなら、高齢生産者にも受け入れやすいだろうし、販路も広がる!

私が「ファームポストは、いいかも」と思った理由はここにあります。

ファームポストの導入コスト

ファームポストは農水省のメルマガで紹介されていたとはいえ、運営しているのは民間企業です。

当然、無料ではありません。

料金はファームポストのサイトを御覧ください。

直売所アプリの概要を説明した資料も公表されています。

※ファームポストのWebサイトにある「資料をダウンロード」をクリック

お試し無料期間もあるようですが、その後は直売所は有料になります。

初期の導入コストについては、もしかすると自治体などの補助事業などもあるかもしれませんので、御確認下さい。

教えてください!大豆の作付面積が増えない理由

山と川と畑のイラスト(背景素材)

Twitterにも引用しましたが、昨年6月の日本能率協会総合研究所の調査研究の発表によれば、

2019年度には15億円規模だった大豆ミートの需要は、2022年度には25億円規模になり、さらに2025年度には40億円に達する見込みだそうです。

引用元 2025年度の大豆ミート国内市場は40億円に–日本能率協会総合研究所 – CNET Japan

同じく能率協会が令和元年度に農水省の委託事業として行った調査研究によれば、世界的に植物肉(大豆や小麦などを原料にしたもの)の市場規模は拡大の見通しです。

情報源 yosan-25.pdf (maff.go.jp)

このように今後、大豆や小麦の需要は増加する予測が出ているのですが、大豆の作付面積はここ数年でそれほど増えていないようなんです。

明治時代は平均して45万ha(全国)あった大豆の作付面積は、昭和30年代には約30万haに減り、平成6年位には6万haまでになったものの、その後増加。ただ、平成27年くらいから令和元年くらいまでは約15万ha程度で落ち着いています。

データ元 <87543190B68E598EC090D181698DCF82DD816A2E786C7378> (maff.go.jp)

でも、農水省は大豆や小麦の生産性を向上させようと対策を講じています。

【事業のご案内】新市場開拓に向けた水田リノベーション事業:農林水産省 (maff.go.jp)

麦・大豆収益性・生産性向上プロジェクトについて:農林水産省 (maff.go.jp)

mugimame_pro-22.pdf (maff.go.jp)

昨年は米の価格が大幅に下がりました。

一方で、10aあたりの労働時間は米より大豆の方が少なく、所得は大豆の方が上です。

データ元 kome_seisaku_kaikaku-8.pdf (maff.go.jp)

にもかかわらず、大豆の作付面積がなかなか増えないのは何故なのか?

おそらく何らかの理由があるはずなのですが、私にはよくわからないのです。

どなたか教えて頂けませんか?

※絵は「いらすとや」より

農業関係のオンライン申請の研修

パソコンを使う農家の男性のイラスト

昨日(R3年12月13日)に、農業関係のオンライン申請の研修が、日本行政書士会連合会主催でありました。

このオンライン申請の名称は、

eMAFF(農林水産業共通申請サービス)

というものです。

講師は、農水省の担当者である課長補佐の畠山氏。

現在、eMAFFを利用して申請できることが徐々に増えてきているようですが、例えば、認定農業者制度関連があります。

一方で、農地法関連は未だオンライン申請はできないようです。(R3年12月現在)

自治体等でEMAFFに対応していない所もかなりあるようなので、そのあたりのところも確認しながらの利用になります。

とはいえ、補助金等の申請は近い将来はオンライン申請が基本になるかもしれませんし、その方が楽になる可能性もあります。

ちなみに、オンライン申請を行うには、eMAFFのIDを取得する必要があります。

eMAFFのIDの取得の仕方については、こちらを御覧ください。

eMAFF(農林水産省共通申請サービス)のIDの取り方

電子申請等が苦手な方には、当事務所でIDの取得からお手伝いいたします。

なお、eMAFFそのものをお知りになりたい方は、こちらを御覧ください。

ポータル | 農林水産省共通申請サービス (maff.go.jp)

澤田行政書士事務所へのお問い合わせはこちらから

  メール ⇒ お問い合わせ

  電 話 ⇒ 022-796-5845

共同利用加工施設の利用者もHACCP

吊るされた干し柿のイラスト

市町村や農協、農事組合などが設置した、地域住民や組合員が利用できる加工施設。

ここで、味噌や漬物、お菓子などを作って販売している農家や農家グループがいらっしゃるかと思います。

すでに御存知だと思いますが、

今年、令和3年6月1日から完全実施される改正食品衛生法によって

こうした共同利用加工施設を利用して、食品を加工・製造・販売している農家さんなども

HACCPに基づいた衛生管理をしなければなりません。

実は、昨年の6月に施行されており、現在(令和3年3月)は猶予期間にあたるだけなので、本当は、もうHACCPに基づいた衛生管理が求められています。

「そんなこと言ったって、フキノトウが取れたときに、フキ味噌(ばっけみそ)を作って直売所で売ってるだけだよ」

「たま~に、柏餅とか桜餅とか仲間と作って道の駅に出してるんだ」

「柿がたくさんとれるから、干し柿作って近所の八百屋で売ってもらってる」

という方でも、食品を売っているならHACCPの考えを取入れた衛生管理の計画や実施記録を、文書で残す必要があります。(食品衛生法の許可または届出も必要です)

もっとも、共同利用加工施設を利用しているならば、既にその施設管理者がHACCPに関する指導などをなさっておられると思いますが・・・。

万が一、まだHACCPの考えを取入れた衛生管理に手を付けておられないならば・・・

まず、施設管理者と、衛生管理の役割分担の協議をしましょう!

その上で、自分の役割に応じた衛生管理の計画や実施記録を作りましょう。

さらに、その衛生管理計画や実施記録を、施設管理者と利用者の間で、どのように確認しあうのか等の決まり事も必要になるかと思います。

いずれにしても、まだ未整備の施設または利用者は、対応を急がれた方がよろしいかと思います。

当事務所では、喜んでご協力いたします。

ちなみに、関連した農水省のHPはこちら

農水省HP : 改正食品衛生法の概要、HACCP手引書等について

※イラストは「いらすとや」より

農業の作業安全のための規範

トラクターに乗る農家のおじさんのイラスト

3月14日付の日本農業新聞(Web版)で

「作業安全規範を策定 『いのちを守る』最優先 農水省」

という記事を見つけました。

この記事を読んで「JGAP認証に通じるなあ」と思ったものです。

実際、農水省のHPから

「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:農業)
事業者向け チェックシート」

をダウンロードして内容を見てみると、まさにGAPの管理点です。

農水省の発表によれば、令和元年の農作業中の死亡事故に限っただけで281人に上ります。

※農水省「令和元年に発生した農作業死亡事故の概要」より

これは週に6日、全国で1人くらいの割合で農作業中の事故で亡くなっているくらいのペースです。

死亡に至らなかった事故も含めれば、さらに多くの方が何らかの事故に遭われていると想像できます。

死亡原因としては、農業機械作業中の事故が圧倒的に多い(全体の65.5%)のですが、施設作業中の墜落や転落事故や、熱中症の多さも見過ごせません。

65歳以上の方の割合が約88%と高いのですが、これは農業人口の高齢化という課題を考えると、当然の結果ともいえるかもしれません。

しかしながら、今後、農福連携や未経験者や外国人の就農のことを考えると、これまで以上に作業の安全対策を講じる必要は高いと思います。

御自身の農場の安全対策がどのようなものか、一度振り返ってみる機会にする意味でも、この規範とチェックシートをダウンロードして活用されてみてはいかがでしょうか?

詳しいことは、下に農水省のHPへのリンクを貼りましたので、そちらを御覧ください。

農林水産省の、農業者向けの作業安全のための規範のHP

農林水産省の、農林水産業・食品産業の作業安全のための規範のHP

※ 画像は「いらすとや」から

農業版BCP~農水省

自然災害の中で心配をする米農家のイラスト

2月12日の日本農業新聞(Web版)を見ていたら、「農水省が農業版BCPのひな型を作成し、HPから入手できる」という記事がありました。

ちなみに、BCPとは、日本語で事業継続計画と言い、

災害に見舞われた後、できるだけ早く事業を復旧させるために、平時に、防災計画と復旧計画を立てて準備活動を行うことです。

PDCAサイクルのイラスト

というわけで、早速、農水省のサイトで、ひな型やパンフレットなどを入手しましたよ。

農水省 : 自然災害等のリスクに備えるためのチェックリストと農業版BCP

農水省が用意していたひな型は、大きく分けて

  • リスクマネジメントのチェックリスト
  • 事業継続に関わるチェックリスト

の2つのExcelファイルから成ります。

さらに、これは、耕種用、園芸用、畜産用の3つの類型ごとに用意されています。

上の2つのチェックリストの内、「事業継続に関わるチェックリスト」に、農業版事業継続計画書のひな型が含まれているという仕組みになっています。

これらとは別に、チェックリストなしの「事業継続計画書(簡易版)」もあります。

私がサラッと見た感想からすると、

  ① チェックリストに従って、現状を把握する。

  ② 現状を把握した上で、事業継続計画書を作成する。

という流れの方が良いだろうと思いますし、これが本来のBCPの在り方だとも考えます。

BCPは「災害に備えて」と説明されることから、ともすれば「台風や地震などの自然災害への対応」と考えがちですが、そうではありません。

例えば、現在の新型コロナ感染症のような事態にも対応できるようにするのがBCPです。

実際、畜産編のリスクマネジメントのチェックリストには、鳥インフルエンザや豚熱を想定している項目もあります。

以下は、私の勝手な考えです。

認定農業者になるためには、農業経営改善計画を作成しますよね?

この農業経営改善計画の中に、

  • 生産方式の合理化
  • 経営管理の合理化

に関わる記入欄があります。

ここに「BCPを作成し、実施する」というようなこと、あるいはBCPの中に具体的に記入した内容を記入しても良いのではないかと思うのです。

というのも、生産方式の合理化や経営管理の合理化の記載例に「GAPの導入」というのがあるからです。

BCPを作成することで、認定農業者として認められるかどうかはわかりませんが、

BCPは災害などに強い事業にするための計画

であることから考えると、

BCPを作成し取組むことは、つまり強靭な経営体になる

ということですから、それは

すなわち経営改善につながる

と、私は思うのですが・・・。

以上はともかくとして、BCPに取組むかどうかは別にして、一度、農水省のHPを御覧になられてはいかがでしょうか?

※この投稿の画像は「いらすとや」より

青果店や産直市場の衛生管理

青果店や産直市場も食品衛生法上の届出を今年の6月1日以降することになりました。

こうした届出業者に求められるのが、

HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理です。

HACCPに沿った衛生管理は、「一般衛生管理」と「重点管理ポイント」の2点について計画を立て、それを実施し、記録を残すのですが、

青果店などで調理をしない事業者にも求められるのが、「一般衛生管理」について実施することです。

詳しくは、「青果店や産直市場もするHACCPに基づく衛生管理~一般衛生管理」を御覧ください。

なお、ここは時折、更新する予定です。

また、HACCPに関わりのない農家の方にも、一瞥していただければうれしいです。

理由は、GAPに関係することが多いことと、GAPに関心のない方であっても「取引先が心がけている衛生管理」について知っておくことは無駄にはならないと思うからです。

農家が漬物を作って販売する時

白菜の漬物のイラスト

例えば、農家のおばあさんが

畑で採れた大根で作ったたくあん

を、道の駅などに出して販売する時です。

令和3年6月1日から施行される食品衛生法により、

漬物製造業の営業許可

を取得する必要があります。

詳しくは、地域の保健所にお問合せください。

注意1

「これまでも保健所に届出してたよ」という方。

これまでの届出は、都道府県などの条例に基づいた届出だったのです。

今年の6月1日からは、

法律に基づいた営業許可申請

になりますので、これまでとは違うものです。

ですから、これまでの届出の期限がまだ来ない場合でも、

改めて許可申請をしなければなりません。

注意2

作ったお漬物を販売する以上、

HACCPの考えを取入れた衛生管理

をする必要があります。

注意3

食品表示の仕方も規制が出てまいります。