今年は熊の人里への出没が話題になっています。

また、近年では鹿、イノシシやハクビシンなどによる農作物などの被害も話題です。


そんな中、注目されているのがジビエです。
野生の動物(鹿、イノシシ等の大型の動物だけでなく、ウサギやハクビシン、あるいは野鳥)を食用の肉にしたものをジビエと言います。
野生動物を獲るには、狩猟免許が必要です。
捕獲した獲物をジビエとして提供するには、食品衛生法による営業許可が必要です。
※こちらのページに簡単な説明を載せました。「ジビエに関わる制度って?」
つまり、マタギ等の狩猟者も、獲物を解体処理した肉を販売する場合には、食品衛生法の食肉処理業と食肉販売業の営業許可を得る必要があります。
また、食品衛生法によれば、2021年6月から、すべての食品事業者にHACCPに基づく衛生管理が義務付けられます。
つまり、マタギ等の伝統に基づいた狩猟者であっても、野生動物を解体・処理し、食肉として販売する食品事業者である限り、HACCPの考えを取入れた衛生管理を行わなければなりません。
野生動物は飼育された牛や豚よりも様々な細菌や寄生虫がついている可能性が高い。その反面、獣医師等による検査を経たうえで流通する牛肉や豚肉とは異なり、ジビエはそのような検査はないのです。
ですから、ジビエを販売、提供する事業者には、より高度な衛生に関する知識や技術、あるいはモラルが求められます。
参考
● 厚生労働省ホームページ「ジビエはよく加熱して食べましょう」
「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」等の資料が掲載されています。
日本ジビエ振興協会は、食品衛生法の改正により2021年6月から完全実施されるHACCPに基づく衛生管理の、小規模ジビエ処理施設向け手引書を作成した団体です。
この手引書は、日本ジビエ振興協会のHPや厚労省のHPからダウンロードできます。
手引書の他にも、様々なジビエ関連の情報が日本ジビエ振興協会のHPに掲載されているので、御興味のある方はぜひアクセスしてみてください。
ジビエを買う場合の注意
野生のイノシシやシカ等の肉を購入する場合にも、注意しなければならないことがあります。
① 消費者や飲食店等に共通する注意事項
食肉処理業 あるいは 食肉製品製造業 と、 食肉販売業の営業許可を得ている事業者から購入しましょう。
② 飲食店等がジビエ料理を提供するために仕入れる場合の注意事項
①に加え、「捕獲、搬入・受入れ、処理に関わる記録表」(個体ごとの履歴のわかるもの)を確認、あるいはコピー等も入手し保管しておく方がよいでしょう。
継続的に取引をする場合には、検品や異常発見時の処理の事項を含めた契約書を作ることをお勧めします。
※記録表の作成は、厚生労働省の「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」や、このガイドラインをもとにして 一般社団法人 日本ジビエ振興協会 が作成した「小規模ジビエ処理施設向け~HACCPの考えを取入れた衛生管理のための手引書」 でも求められています。