「有機〇〇」という表示~有機JASの認証とっています?

時々小さな八百屋や、産直市場を覗いてみてみると、たまにですが

「有機栽培農産物」

とか

「有機〇〇」

というシールが貼られている米や野菜を見かけます。

※〇〇には「野菜」とか「栽培」とか「トマト」とか様々な言葉が入ります。

「日本農林規格に関する法律」(JAS法)によれば、

有機JASマークが付された農産物だけが「有機〇〇」と表示できます。

有機JASマークをつけるためには、第三者機関による認証を受けていなければできません。

つまり認証を受けずに、また、マークもつけずに「有機〇〇」と表示してはいけないのです。

これに違反すると、まず農林水産大臣より表示を取り除くなどの処分を命じられ、さらにその処分に違反した場合には1年以下の懲役または百万円以下の罰金に処せられます。

※JAS法第76条と第10条、第63条、第64条

詳しくは、こちらの農林水産省のホームページを御覧ください。

農林水産省のWebサイト:有機食品の検査認証制度

農林水産省 「有機JAS制度について」

ちなみに、「有機〇〇」と適正に表示するためには、その野菜等の種まきや苗の植付けの2年前から、化学的に合成された農薬や肥料や土壌改良剤等を使わない田・畑・ハウス等で、周囲から飛んでくる化学農薬等が付いたりしないような工夫をしなければなりません。また、そのことがわかるような記録も整備する必要があります。

※「一切の農薬や肥料を使っちゃダメ」というわけではありません。

八百屋と産直市場のHACCP

改正された食品衛生法は、すべての食品事業者にHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理を義務化しました。

HACCPというのは、簡単に言えば食中毒や異物混入などの食品事故を起こさないための取組みです。

HACCPをやっている食品事業としては、「レトルト食品や缶詰・冷凍食品などを作っている工場」というのが、以前の私の持っているイメージでした。

けれども、今年2020年6月から施行され、来年2021年6月から完全実施される「HACCPに沿った衛生管理」をしなければならない食品事業者には、街の小さな八百屋さんや農産物直売所なども含まれます

こんなことを八百屋の威勢の良い親父さんに言えば、

「何言ってんだい!こちとら何十年もここで商売をやってて、一度だって食中毒をおこしたことなんてないんだ!こちとら信用で成り立つ商売やってんだ!四の五のいってねぇで、とっとと帰りやがれ!」

と怒られそうですが・・・。

もちろん、これまでの方法でもかまいません。

HACCPが求めているのは、その方法を文書にすることと、実際にやったことを証拠として保存することです。

もう少しだけ、くわしく説明します。

八百屋や直売所に求められるHACCPにそった取り組みは、おおまかに言えば次のようなことをすることです。

① あらゆる食中毒や異物混入を防止するための、衛生管理計画を作る。

② 衛生管理計画を、経営者・従業員全員で実行する。

③ 実行したこと、あるいはその結果を記録に残し、保存する。

この3点について、少しだけ注意事項を示します。

① 衛生管理計画

衛生管理計画は、仕入から販売まで(商品の保管も含みます)の商品の取り扱いの注意事項や、店舗や従業員の衛生管理も含みます。

言い換えれば、食中毒や異物混入を防止するための、お店のルールを文書にします。

② 実行

①の衛生管理計画に書いたルールを、パートやアルバイトを含めた全員がやりとげることが大切です。

もし、ルールを徹底できないときはどうするか?

そのこともルール化します。

③ 記録と保存

記録は基本的に文書化します。パソコン等で作成してもかまいませんが、すぐに確認できる状態にしておくことが大切かと思います。

①から③のHACCPに沿った衛生管理の実施状況を、保健所の食品衛生監視員が確認することがあります。

ですから、記録した文書は1年以上は保管します。

八百屋や直売所が取り組むHACCPについて、より詳しくは、

一般財団法人 食品産業センター

厚生労働省

のどちらかから、手引書をダウンロードして御覧ください。

なお、当事務所では、この手引きにある計画書や記録用紙をもとに、お店にあった様式を作成、またはお手伝いします。

御希望の方はメールでお問い合わせください。

<生産者の方へ>

上のように、すべての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理とその記録が義務付けられます。

これは八百屋や直売所だけでなく卸売業者や仲卸も、HACCPに沿った衛生管理をやらなければなりません。

その衛生管理は、食品の仕入れ段階から始まります。

したがって、もしかすると、農産物の納入・搬入じの検品が、これまで以上に厳しくなったり、これまでは求められなかった書類を添えなければならなくなるかもしれません。

そのことも念頭に置いておいた方がよろしいかと思います。

整理整頓②~GAP的取組1

前回は、整理整頓の目的について、私なりに考えを整理しました。

項目だけ振り返ると、次の4つの目的を意識しましょうという提案です。

  • 農産物を守るため。
  • 働く人を守るため。
  • 環境を守るため。
  • 農場の経営を守るため。

今回は、整理整頓を心がける場所です。

整理整頓は上記4つの目的のために行うので、「毎日、作業の後片付けをする」ということだけでは足らないと思います。

作業中も整理整頓を心がけることが大切です。

ですから、整理整頓を心がける場所としては、具体的に書けば次の5つになります。

  1. 圃場およびその周辺
  2. 農産物取り扱い施設およびその周辺
  3. 倉庫
  4. その他の施設
  5. 運送・運搬の器具・機械

1.圃場およびその周辺

田、畑、ハウスの中はもちろん、その周囲にも気を配る必要があります。

病害虫、鳥や動物、雑草といったものからの農産物への被害を防ぐことはもちろん、農薬や肥料が周囲に影響を及ぼしていないかどうか早めに気づくためでもあります。

2.農産物取り扱い施設およびその周辺

選果場や出荷前の農産物を保管する倉庫などの農産物取り扱い施設。農薬やハエや蜂を退治するための殺虫剤が農産物につかないように、肥料、病原性の細菌が繁殖しやすい水滴がたまったりしないように、昆虫やゴミあるいはタバコ灰などの異物が混入ないように細心の注意をはらわなければならない場所でもあります。

3.倉庫

農薬や肥料、農業機械などを保管する倉庫。ここは働く人の安全や、在庫管理のしやすさが大切なところ。何より農薬の管理を徹底したい所でもあります。

4.その他の施設

作業途中に使うトイレ、休憩所、燃料等の保管場所、堆肥等仮置き場、ゴミ倉庫なども4つの目的達成のためには大切な場所です。

5.運送・運搬具の器具・機械

整理整頓というより清掃を心がける場所といった方がよいでしょうか?

例えば軽トラの荷台。様々な道具や農産物等を入れて持ち運ぶコンテナボックス。

農産物を汚さない、傷つけない。ケガをしない。

常にそうあるためには、どのように整理整頓あるいは清掃をすればよいのでしょうか?

・・・以上のように書くと、すごく面倒くさく思えてきます。

しかも整理整頓は、そこで働く人全員が心がけ実践しなければ意味がありません。

だから、働く人みんなで知恵を出し合って

「4つの目的を達成するために、かつ、できるだけやりやすい方法」

を工夫し続けることが重要なのだと思うのです。

そしてその取組自体が、実はGAPなのです。