認定新規就農者

根拠法:農業経営基盤強化促進法(以下、基盤法)

はじめにご注意いただきたいことがあります。

それは、「認定新規就農者になる」ことと「就農する」ことは別に考えていただきたいということです。

就農すること自体に、特別な条件はなく、知識や技術、意欲があれば誰でも農業を始めることはできます。(それで生計をたてられるかどうかも、また別問題ですが)

誰が認定新規就農者になれるの?

認定就農者になるためには、次の2つの条件を両方ともクリアしなければなりません。

  • 新たに農業経営を営む青年等であること。
  • 青年等就農計画が適当であると、市町村が認定すること。

この2つの条件について、説明します。

基盤法第14条の4

新たに農業経営を営む青年等」に該当する?

この「新たに農業経営を営む青年等」という条件を、さらに2つに分けて考えます。

新たに農業経営を営む

農業経営を開始してから5年以内であれば、この「新たに農業経営を営む」に該当します。

ただし、認定農業者は除きます。

基盤法第14条の4,基盤法施行規則第15条の3

青年等

基盤法でいう「青年等」は、次の3つのうちのどれかに当てはまる方です。

1. 18歳以上45歳未満の個人

ただし、地域の事情等を考慮し市町村長が認める場合には50歳未満

2. 65歳未満で、効率的かつ安定的な農業経営を営む者となるために活用で   きる知識及び技能を有する個人        

    この「知識や技能を有する」と認められる該当条件が5つ定められていますが、その中の2つを記しておきます。             

  • 商工業その他の事業の経営管理に3年以上従事した者
  • 農業又は農業に関連する事業に3年以上従事した者

3. 1や2に該当する者が役員の過半数を占める法人。

法人であれば、株式会社で会っても、農福連携に取り組む社会福祉法人であってもNPO法人で会ってもかまいません。ただし、法人格を有していなければなりません。

※この「1や2に該当する役員」が、この法人の営む農業に従事することが必要です。

以上の3つの条件のうちいずれかに該当するする者が「青年等」にあたります。認定就農者になるためには、これらの「青年等」が年間150日以上農業に従事することが、次に説明する青年等就農計画に盛り込まれていなければなりません。

基盤法第4条2項、基盤法施行規則第1条・第1条の2・第1条の3

農業経営基盤強化促進法の基本要綱 (別紙4の2)青年等就農計画の認定基準

青年等就農計画の認定

認定新規就農者になるためには、青年等就農計画(様式が決められています)を市町村長に提出して、認定をもらう必要があります。

この青年等就農計画は、市町村が定める基本構想に沿ったものでなければならないので、事前にその基本構想を確認しておく方がよいでしょう。

ただ、農林水産省が示す認定基準によれば、立てた計画中の目標所得水準が基本構想を下回る場合でも、将来的には基本構想の水準に達すると見込めるような意欲や根拠が示されていれば認定して良いとされています。

青年等就農計画の記載事項

計画は農林水産省が定めた様式に書きますが、主な記載事項は次の5つの項目に分けられます。

1.経営開始時の経営の状況(既に就農している人は、そのときの状況)

  • 就農する場所と経営を開始する(開始した)年月日
  • 就農形態(新規か、親の経営を継ぐのか等)
  • 営農類型(稲作、露地野菜、施設野菜等、単一か複合か)
  • 年間の農業所得や労働時間
  • その他の現状(農地は所有か借入か、作業受託の有無、設備・機械の状況等)

2.農業経営に関する目標

1.の各項目や経営管理に関する目標等

3.目標を達成するために必要な施設・設備・機械その他の措置

4.45歳以上65歳未満の者であれば、知識や技能に関する事柄

職務内容や職務機関の経歴や、保有している資格、その他に農業経営に活用できる知識や技能など。

5.その他

提出

提出先は「農業経営を営もうとする土地の市町村」です。

自分の住所地ではありませんし、そこに農地をもっていなくても、その市町村で農地を借る等して農業を営むのであれば、その市町村に提出します。

複数の市町村にまたがる場合には、それぞれの市町村に対して同じ計画で認定申請することもできます。

また、夫婦等で共同申請することもできます。

青年等就農計画の有効期間

この計画の有効期間は、認定を受けた日から5年です。つまり、認定新規就農者として認められるのは5年が限度ということです。

そもそも認定新規就農者の制度は、農業経営を開始してから5年未満の方を対象にしています。

ですから、有効期間満了に近づいた人は、認定農業者への移行を検討した方が良いと言えます。

報告義務

認定新規就農者になった場合には、毎年、市町村に計画の達成状況や経営課題等について報告する義務があります。

場合によっては、計画の変更を検討することも出てくるかもしれません。その場合には、変更した計画について市町村の認定を受けなければなりません。

その他

認定新規就農者になる、ならないに関わらず、新たに農業を開始しようという方には様々な支援機関があります。

例えば、都道府県ごとに「青年農業者育成センター(略して育成センター)」が設置されています。

宮城県では「公益社団法人 みやぎ農業振興公社」が育成センターの役割を担っています。

また、農業改良普及センターや各市町村の農業担当部署も、支援機関として期待できます。

認定が取り消されるときはある?

青年等就農計画の認定が取り消されることはあります。

例えば、計画達成の見通しがない時は、認定を取り消されます。

また、計画達成のための具体的な手段を講じないときにも、認定は取り消されます。

ただし、病気やケガ、災害などのやむを得ない事情がある場合には、認定は取り消されないこともあります。

認定の取り消しは、経営に大きな影響を及ぼします。

ですから、市町村は認定を取り消す前に、必要な助言や経営者の事情を聞く機会を設けます。その上で「目標の達成は見込めない」と判断したときに認定を取り消します。

なお、「取り消し」ではありませんが、認定新規就農者が認定農業者になったときには青年等就農計画の認定は効力がなくなります。

基盤法第14条の5

農業経営基盤強化促進法の基本要綱の7

青年等就農資金(日本政策金融公庫)

資金の使途

青年等就農計画の達成に必要な次の資金

※経営改善資金計画を作成し、市町村の認定を受けた事業に限る

施設・機械
  • 農業生産用の施設、機械
  • 農産物の処理加工施設
  • 販売施設
果樹・家畜 家畜の購入費、果樹等の新植や改植費等
農地借地料

農地の借地料や施設機械のリース料の一括払い

※農地取得費用は別途「経営体育成強化資金」

その他 経営開始の時に必要になる資材等の費用
条件 返済期間 17年以内 (うち据置期間5年以内)
限度額 3700万円
利率 無利子
担保 原則として、融資対象物件
保証人

個人事業主の場合は不要

法人の場合は代表者が保証人となる場合もある。

経営体育成強化資金(日本政策金融公庫)

ここでは認定新規就農者が農地を取得する場合のみ紹介します。たの使途については省略します。(2020年4月21日現在の情報)

  • 借入額1000万円以下
  • 償還期限25年以内(うち据置期間5年以内)
  • 金利は0.2%

農業近代化資金

資金の使途
  • 農地又は牧野の改良、造成または復旧
  • 畜舎、果樹棚、農機具など農産物の生産、流通または加工に必要な施設の改良、造成、復旧または取得
  • 果樹その他の永年性植物の植栽または育成、乳牛その他の家畜の購入または育成
  • 長期運転資金
  • その他
条件 返済期間 17年以内 (うち据置期間5年以内)
限度額
  • 個人は1800万円
  • 法人は2億円
融資率 80%以内
利率 0.2% (令和元年12月18日現在)
金融機関 農協、農林中金、銀行、信用金庫、信用組合